Japanese
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特集 新しい緑内障手術
バルベルトインプラント手術
Baerveldt glaucoma implant surgery
千原 悦夫
1
Etsuo Chihara
1
1千照会千原眼科
pp.7-12
発行日 2013年1月15日
Published Date 2013/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104558
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はじめに
緑内障の治療の最終目的は患眼の視機能の維持であり,視神経の萎縮を防ぐための方策としてアポトーシスを防ぎカスパーゼカスケードを防止するために神経保護法を含む種々の治療法が検討されている。神経保護は神経疾患全般における研究と方向性を一つにした重要なテーマであるが,緑内障に関してはいまだに有効な薬剤が確立されておらず,現時点でエビデンスがある有効な治療法は眼圧を下げ,軸索輸送のブロックを避け神経成長因子の供給を絶やさないようにすることにほぼ等しい。
眼圧を下げるために種々の薬剤の有効性が確立されており,これにトラベクレクトミーなどの手術技術の改良による効果を加えると失明数は減少することが期待された。しかし,現実にはその後も緑内障による失明が後を絶たず,視力障害による身体障害者手帳の申請数は2011年現在でも第1位を占める。このような事態は従来の治療法の限界を示唆するものでもあろう。チューブシャント手術はそのような現状を打破するための手術法として期待されるものであり,本邦では2011年8月31日に医療用具として認可され,さらに2012年4月1日には保険収載された。
2012年6月5日現在,本邦で医療用具として承認されているものはバルベルトインプラント,Ex-PRESSTMの2種類であり,さらにアーメド緑内障バルブが申請の準備中である。本稿ではバルベルトインプラントについて述べる。
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