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特集 遺伝性網膜疾患のトータルケア
【基礎と診断】
遺伝性網膜疾患の病態
Pathogenesis of hereditary retinal diseases
中澤 満
1
Mitsuru Nakazawa
1
1弘前大学大学院医学研究科眼科学講座
pp.1602-1606
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211616
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はじめに
遺伝性網膜疾患は表1に示すように多彩な疾患を含む集合的な名称であるが,それら全体を総合しても眼疾患全体に占める割合はさほど高くはない。しかしながら,代表的な疾患である網膜色素変性にしても,人口約4,000人に1人の割合で発症することを考えると日本全国で3万人という患者数となり,きわめて稀な疾患といえるほど稀というわけでは決してない。日常の眼科診療のなかで平均的な眼科医であれば,いつかは必ずこのような疾患をもつ患者の診療を担当することになる。眼科医療施設を受診した遺伝性網膜疾患患者およびその家族に対して,その病態を現在の医学水準に照らして各眼科医なりに的確に説明できれば,それだけで眼科専門医が提供する患者サービスという役割を果たしたことにもなる。本項を読んで,その時の参考になればと考えて企画された。
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