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特集 遺伝性網膜疾患のトータルケア
【基礎と診断】
遺伝性網脈絡膜疾患の診断と予後
Diagnosis and visual prognosis of hereditary chorioretinal diseases
林 孝彰
1
Takaaki Hayashi
1
1東京慈恵会医科大学眼科学講座
pp.1608-1616
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211617
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はじめに
遺伝性網脈絡膜疾患と聞いて,まず思い浮かぶ疾患は網膜色素変性(retinitis pigmentosa:RP)や錐体ジストロフィであろう。大部分の遺伝性網脈絡膜疾患は,単一遺伝子疾患(メンデル遺伝病),すなわち1つの遺伝子異常によって発症する。遺伝形式としては,常染色体優性遺伝,常染色体劣性遺伝,X連鎖性劣性遺伝がある。遺伝性網脈絡膜疾患は,その病態から大きく4つすなわち,①RPを代表とする進行性夜盲性疾患,②停在性夜盲,③錐体ジストロフィを代表とする錐体機能不全,④黄斑ジストロフィに分類される。本稿では,成人発症の遺伝性網脈絡膜疾患を中心に,診断のために必要な問診・検査,各疾患の特徴,視機能予後について述べる。
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