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I.緒言
網膜剥離の治療成績に関する内外の文献は多く,診療におけるいちじるしい進歩により,高い治癒率を示している。また網膜剥離患者は最近増加の傾向1)を示し,難治な悪性度の強い症例に対しても,今後,新しい治療法の改良,および導入と適応,選択により,さらに良い治癒率が期待できる可能性を予想させる。
網膜剥離の治癒が,剥離網膜の解剖学的な復位であることは周知のことであり,これが帰着するところであるが,さらに復位治癒眼の機能改善を促進する手段が,今後の課題となつてくる。症例によりさまざまであるが,治癒眼の機能がかなり回復することは,眼科臨床家により指摘されており,近年,機能回復について考察した報告が行なわれてきた。Brockhurst2)は,網膜剥離眼の復位と視力の予後について言及しているが,この問題とあいまつて,ますます術後治癒眼における復位状態の長期観察の重要性が提起されてくる。このような長期観察は実現困難なことが多いが,永久的な復位治癒を確認しえて,初めて真の意味の網膜剥離の治癒といえる。
For a follow-up study of 207 patients (212 eyes) who underwent retinal detachment sur-gery during the period from August I, 1962 through July 31, 1966, i. e., after the lapse of one year or more following the operation, the patients were requested to undergo follow-up examina-tion at the University Hospital and to reply to a questionnaire which was sent by mail.
Those who visited the hospital for examina tion as well as replied to the questionnaire num-bered 45 (46 eyes) and those who only replied to the questionnaire numbered 85 (85 eyes).
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