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創刊20周年記念特集 眼科最近の進歩
綜説
トラコーマ
Trachoma
杉浦 清治
1
Seiji Sugiura
1
1北海道大学医学部眼科
1Department of Ophthalmology, School of Medicine, Hokkaido University
pp.1495-1502
発行日 1966年12月15日
Published Date 1966/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410211150
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I.はじめに
トラコーマの研究には随分長い歴史があるが,1957年を境にこの研究は様相を全く一変した。それは周知のごとくT'ang1)らによつてその病原体が孵化鶏卵のYolk sacに分離されたからである。感染症の研究にあつては病原体分離の成功は一つの大きな峠を越えたことになる。果せるかな,トラコーマ病原体をめぐるウイルス学の研究は大河の堰を切つたような勢いで進み正に目をみはるものがあるが,トラコーマ病学はまだこれらの成果を駆使して,従来の難問を明らかにするところまでいつていない。つまりトラコーマウイルス学はかなり進歩したが,トラコーマ病学は未だこれからといつてもよかろう。以下述べるところも,主としてトラコーマウイルス学における進歩の概略を語ることになる。
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