綜説
トラコーマの個々の症例について—トラコーマ検診メモより Ⅱ
国友 曻
1
,
鳥海 しのぶ
1
Noboru Kunitomo
1
,
Shinobu Toriumi
1
1日大眼科
1Dept. of Ophth., School of Medicine, Nihon University.
pp.1259-1271
発行日 1958年10月15日
Published Date 1958/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206454
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御承知の様に我国のトラコーマ(以下トと略す)の診断基準というのは,今迄はあつてもない様でありましたが,2〜3年前から桐沢教授を班長とするト研究班におきまして,とにかく1つ診断基準というものを,たとえ人為的でもよいから作つて,それにのっとって日本全体の眼科医がやつていこうではないかという様な話になりました。何回かdiscussionの場を与えられて,お互いにdiscussion致したのでありますが,その結果出て参りました結論と申しますのは,ト研究班の中に入つている班員の考えの最大公約数みたいなものになつてしまつて,おのおののそれに参画した委員達がいいました意見が,全部通つたという訳ではなかつたのであります。従つて10人おりますと,10人が違つた考えを持つているのは,現在皆さんがいろんな本をお読みになりましたり,或は又いろんな会でトに対するみんなの考えがいろいろ違つているということを,よく御存じの通りであります。然し乍ら,とにかく1つのカタログを作りまして,しかもそれをcolourの図譜に出しまして皆様のお手許に届ければ,大体に於て従来よりはやはり1つのある型にはまつた,或は程度の比較的近まつた診断が出来るのではないかという様な意味では成功であつたと思います。
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