緑内障による視神経障害に対するメチルB12の薬効評価多施設共同二重盲検法による比較検討

Therapeutic value of oral mecobalamin for glaucomatous damage of optic nerve.A comparative multi-center study by double-blind test

　緒言　慢性緑内障，ことに原発開放隅角緑内障が進行性の視野欠損を特徴とする疾患であり，視野の維持のためには眼圧のコントロールが重要である。しかし単に眼圧の正常化だけでは不十分で，視神経（乳頭）障害に対しては眼圧以外の因子（乳頭の解剖学的構築上の要因や循環の要因）が関与していると考えられる。

　Vitalnin B₁₂のうちで，神経細胞内小器官への移行に優れ，神経細胞内での核酸・蛋白の合成を促進し，神経組織を修復する上で有用とされるメチルコバラミン（メチコバール®）を，眼圧が調整されている慢性緑内障患者を対象に長期間経口投与して，視野への有効性および有用性を多施設共同二重盲検群間比較法により検討することを目的とした。