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特集 第42回日本臨床眼科学会講演集(2)1988年9月 東京
学術展示
真性小眼球症(nanophthalmos)に伴った緑内障に対する強膜切除術の経験
Favorable effect of partiaL thickness sclerectomy for nanophthalmic glaucoma
谷 瑞子
1
,
秋山 健一
1
Mizuko Tani
1
,
Kenichi Akiyama
1
1国立東京第二病院眼科
pp.408-409
発行日 1989年3月15日
Published Date 1989/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210683
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緒言 真性小眼球症(nanophthalmos)に続発した緑内障は各種治療に抵抗し,視機能の温存は極めて困難とされ,特に観血的手術後はuveaL effusionを発症しやすく,予後は不良であった1-2)。近年,強膜層状切除術はuveal effusionの治療法として有効性が確立してきている3)。Brockhurstは真性小眼球症においては厚い強膜により渦静脈が圧迫されてuveal effusionが起こると推定した2)。著者らは眼球前部においては厚い強膜により上強膜静脈も同様の圧迫を受けていることがnanophthalmosにおける緑内障の眼圧コントロールを不良にしている要因と考えた。そこで強膜を広範囲に切除することにより上強膜静脈への圧迫を除去し,房水静脈の抵抗を少なくすることを目的として,各種治療の無効であった真性小眼球症に続発した緑内障の両眼に強膜切除術を施行し,有効であったので報告する。
症例 34歳女性。生来,眼が小さく,視力は悪かった。1982年頃から虹視症および流涙があったが放置していた。霧視が増悪したため1984年1月に近医を受診した。眼圧が右61mmHg,左90 mmHgであったため当院を紹介された。既往歴および家族歴には特記すべきものはなかった。
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