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新編鴻飛集論眼科(太醫院傅七十二症明目仙方)
中泉 行信
1
,
中泉 行史
1
,
斎藤 仁男
1
1研医会
pp.738-739
発行日 1988年6月15日
Published Date 1988/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210438
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「新編鴻飛集論眼科」の巻頭に『昔有日華子.北齊雁門人也.幼年好遊獵.忽一日同行数人.各執弓矢.出於雁門.嶺南見征鴻数隻飛過.墜於道傍.日華子又張弓而射之.群雁皆棄所舎廬去書二巻.日華子収之.乃覧其文.是昔時皇帝岐伯問答論眼謹書,故日鴻飛集論云々』と記され,本書は「日華子鴻飛集論」をもとに,中国(明代)嘉靖35(1556)年に胡廷南淵(漸江の人)によって編集され,その序を掲げて書林劉氏日新堂より刊行されたものと思われる.
この刊本は中国(明代)の眼科専門書としてわが国へも輸入されたことと思われるが「眼科全書」(哀学淵著,貞享5年,寛政3年翻刻)「銀海精微」(孫思邈原集,寛文8年,寛政5年翻刻)「原機啓微」附録(〓維徳著,承応3年翻刻)などのように日本において翻刻されたか否か明らかではない.現在伝えられているものは写本が多く,掲出本も江戸時代末の写本である.
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