文庫の窓から
傅氏眼科審視瑤凾(2)
中泉 行信
1
,
中泉 行史
1
,
斉藤 仁男
1
1研医会
pp.74-75
発行日 1988年1月15日
Published Date 1988/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210252
- 有料閲覧
- 文献概要
本書の眼病分類は五輪八廓説の病理を基に外傷によるもの,熱病後の病,出疹病後の病,栄養不足による病等を加えて,原因により分類を行い,およそ18症を挙げ,さらにこれを症候により108の眼病に分けて掲げている.本書の巻3(38症),巻4(23症),巻5(34症),巻6(13症)に所載されている.しかしこの分類の方法はあまり用いられなかったようである.わが国では「眼科全書」(哀学淵著)に用いられた臨床病像,疾病発生部の解剖学的差異による72症(内障24症,外障48症)分類が眼科諸流派の間でも用いられたようである.
本書には五輪定位之図,八廓定位之図,眼科鍼灸治目之要穴形図(13図)等が所載されているが,「校正増図眼科大全」—傅氏審視瑤凾—(上海,文明書局発行)には西医の眼科図説が挿入され,その第1図から第19図までと洗眼器,蒸眼器,浴眼器,烙鉄等各施用図および鍼刺内翳図は本庄普一著「続眼科錦嚢」(天保8年刊)に所載の図と全く同じであるが,この図は「続眼科錦嚢」から引用したものか,他の西洋眼科書から用いられたものか,また,本書に西医の眼科図説を附加している理由も明らかでない.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.