文庫の窓から
傅氏眼科審視瑤函(1)
中泉 行信
1
,
中泉 行史
1
,
斉藤 仁男
1
1研医会
pp.1358-1359
発行日 1987年12月15日
Published Date 1987/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210233
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"瑤"は「玉」「美なる玉」という意味があるが,中国には"眼"のことを金珠,玉液,幽戸,神門,瑤函などと表わす文字がある.古来,日本では眼科のことを表わす語として"銀海"という文字があるが,その語源は中国(宋代)の詩人蘇東坂(1036〜1101)の詩
雪後書北臺壁
城頭初日始飜鴉
陥上晴泥己没車
凍合玉樓寒起粟
光揺銀海眩生花
………
によったもので,道家の説によって,『両肩を以て玉樓となし,眼を以て銀海となす』に拠ったもの,要するに銀海とは眼を文学的に表現した語で,眼科学の代表語ではなかったといわれている.
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