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神経眼科,他
向野 和雄
1
1北里大
pp.626-627
発行日 1987年6月15日
Published Date 1987/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410210056
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Peessin MS et al : Clinical features and mecha-nism of occipital infarction. Ann Neurol 21 : 290-299, 1987
日常診療の中で同名半盲は比較的経験する症候であり,それが唯一の臨床症候であることが多く,眼科医の役割は大きい.
本論文は老人社会になりますます増加すると思われる,後頭葉梗塞(後大脳動脈閉塞)の臨床像とそのメカニズムを明らかにしようとしたものである.35例の同名半盲を示し,CT scanで確認された多数症例を分析した.23例を脳血管撮影で確認し,TIAのまれなこと,発症時の症状が最も強いことから梗塞がその原因と考えられた.大変大切なことに約半数17例が半盲のみが唯一の神経学的症候であった.3例は重大な脳幹梗塞を示していた.これら35例をその発症機構から五つのグループに分類すると,1)心疾患(心房細動など)から10例,2)椎骨脳底動脈アテロームからの他の梗塞も伴ったもの6例,3)片頭痛5例,4)全身疾患で凝固亢進を伴ったもの3例,5)原因不明の梗塞11例と分けられた.その後治療によりその内26例(74%)はその他の発作はおこらず,3例が再発作,6例が死亡した.
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