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視神経・視路,他
若倉 雅登
1
1北里大
pp.902-904
発行日 1986年8月15日
Published Date 1986/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209821
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Sestokas AK, Lehmkuhle S : Visual response latency of X-and Y-cells in the dorsal lateral genicuate nucleus of the cat. Vision Res 26 : 1041-1054, 1986
視覚系にXとY細胞のチャンネルがあることは周知であり,図式的にXが空間周波数,Yが時間周波数に関する視機能を司ると考えるとわかりやすい.ところがこの著者らはそのように割り切るのは正しくなく,Yチャンネルも空間周波数分析能に大いに関与しているとする研究を積み重ねてきている.ネコの背側外側膝状体に細胞外電極を置き,格子縞刺激の受容野の態度と視交叉からの電気刺激に対する潜時からX,Yチャンネルを定義した.そして格子縞の空間周波数とコントラストを変えつつ受容野を刺激し,各チャンネルの反応潜時,ピーク潜時およびそれらの偏差を調べた.その結果Yは低空間周波数で,Xは中間の周波数で反応潜時が短く偏差も小さかった.Yの反応およびピーク潜時はXより10-15msec短いことも示した.この結果をYチャンネルが先に例えば森のような荒い視覚情報を分析し,次いでXが細かい情報つまり木の情報を得るのに使われるという風に解釈している.
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