Japanese
English
文献
顔面神経のneurilemmoma,他
The neurosurgical aspects of seventh nerve neurilemmoma
Furlow, L. T.
pp.173
発行日 1961年3月1日
Published Date 1961/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201045
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顔面神経の腫瘍は稀で,特色ある症状を呈する。まず突然(Bell麻痺の如く)または漸次下から上へ緩慢に麻痺が生ずる。一旦発生した麻痺は永続性である。味覚は腫瘍が鼓索神経分岐後に生ずればよく維持され,分岐前に浸潤すれば障害される。外聴道をよく検すると後壁から押し出して道を塞ぐ腫瘤をみとめうる。後にはこれが潰瘍化しうる。中耳も塞がれ中耳炎・乳嘴突起炎を招く。したがつて聴力は障害される。
著者は2例を精査し,文献報告の症例と比較している。文献によるとSchmid (1930)の16歳少女,ついでSchroeder (1931)の25歳男子をはじめとし,22例報告され,多くは耳鼻科領域で外聴道・中耳の腫瘤検査で発見され,しばしば脳底に発育している。それで脳外科が治療上必要になる。著者の例は48歳男子。13年前から顔面上枝に緩慢にはじまる麻痺。Mayo Clinicを訪れたが麻痺以外に腫瘍は発見されなかつた。2年来右聴力漸次消失。意識障害・ケイレンを訴えて入院。EEG・アイソトープ法で小脳橋角腫瘍を疑う。レ線で中脳底窩に石灰化を見る。手術でSylvi溝を3〜4cm上方に圧する硬い腫瘤が第8神経の上部に存することを確め切除259のneurilemmomaで第7神経から出て第8に浸潤したもの。同様の症例がTremble×Penfield (1936)にある。第2例44歳男子。
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