Medical Topics
眼科の診療の変遷,他
T.M.
pp.382-383
発行日 1972年3月1日
Published Date 1972/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916273
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眼科が‘赤い眼科(red eye clinic)’から‘白い眼科(white eye clinic)’へ移行してきてからかなりの年月が経過した.つまり,以前は眼科というと洗眼を想起させたように,また学校での身体検査が,トラコーマの発見のための眼瞼を反転して行なう結膜の検査によって代表されたように,外眼部疾患を主体とし,洗眼などの処置が診療行為の大きなウエイトを占めていた.現在では,トラコーマのような結膜の感染症は少なくなって,眼機能疾患が主体となってきた.それに伴って,眼科の診療体系には大きな変革がもたらされなけわばならない.
眼機能疾患がおもな対象になると,その診断には複雑な検査が要求される.それは眼は外界からの情報を取り入れるもっともすぐれた感覚器であり,人間のからだのうちもっとも精密にできているからである.時間のかかる検査を担当し,診療を円滑に行なわせるパラメディカルの人が必要である.眼科の検査には非観血的にできるものが大部分であるから,医師でなければできないような検査はあまりない.
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