綜説
緑内障性視神経症と乳頭出血アップデート
竹本 大輔
1
,
東出 朋巳
1
1金沢大学医薬保健研究域医学系眼科学
キーワード:
乳頭出血
,
緑内障進行
,
predictor
,
concomitant phenomenon
,
vascular theory
,
mechanical theory
Keyword:
乳頭出血
,
緑内障進行
,
predictor
,
concomitant phenomenon
,
vascular theory
,
mechanical theory
pp.1221-1229
発行日 2023年10月5日
Published Date 2023/10/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000003358
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乳頭出血の歴史は古く,緑内障との関連が最初に発見されたのは19世紀にまでさかのぼるが,1970年代にDranceらによって,乳頭出血のある緑内障患者はそれがない患者よりも視野障害の進行例が多いことが初めて示された1)。これを契機として,乳頭出血の臨床的重要性が多くの眼科医によってあらためて認識(再発見)されるようになり,現在に至るまで乳頭出血は緑内障分野の主要な研究課題のひとつとなっている。1970年代以降に行われた数多くの臨床研究によって緑内障性乳頭出血に関する知見が蓄積され,2000年頃までには乳頭出血に関して現在とほぼ共通の認識が固まってきた。この頃からEBM(evidence-based medicine)の概念がより重視されるようになり,複数の大規模ランダム化比較試験の解析結果が相次いで報告され,経験に基づいた乳頭出血に関する知識の多くが事実として証明されることとなった。
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