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特集 第39回日本臨床眼科学会講演集 (3)
特別講演
高眼圧症および緑内障における視神経乳頭の変化
Changes in the optic disc in ocular hypertension
難波 克彦
1
Bernard Schwartz
1新潟大学
pp.318-320
発行日 1986年4月15日
Published Date 1986/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209666
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眼科医の大半は高眼圧症や緑内障における視神経乳頭の異常の有無やその変化については主観的方法で判定しといる.我々は視神経乳頭の血流状態や乳頭陥凹や蒼白性の変化をより正確に判定する方法を考案した.
視神経乳頭の血流状態をみるためには視神経乳頭の螢光眼底撮影を用いている.この方法で開放隅角緑内障や高眼圧症では常に充えい欠損がみられ,かつ正常眼に比してその充えい欠損の数や大きさが大きいことがわかった.螢光眼底撮影により緑内障眼や高眼圧症眼の視神経乳頭では血流状態にあきらかな変化があるのがみとめられた.
立体眼底写真の写真測量により,乳頭陥凹の容積だけでなく,深さ,陥凹壁の傾き,陥凹開口部の面積などが測定できる.陥凹を縦断面の輪郭からみると乳頭陥凹の形の特徴を表わすことができ,正常眼,高眼圧症眼,緑内障眼ではあきらかに違った形状を示す.
コンピューター画像解析により乳頭の蒼白性を測定した.この方法により視神経乳頭に対する蒼白な部分の面積比を求める.
これらの三つの方法により高眼圧症や緑内障における視神経乳頭の異常性のみならず,その経時的変化を把握することができ,それ故に診断能力が向上し,患者の治療,処置方法を改善することができる.
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