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特集 第38回日本臨床眼科学会講演集 (その4)
学術展示
側頭動脈炎による後部虚血性視神経症の1例
Posterior ischemic optic neuropathy due to temporal arteritis
小沢 勝子
1
,
滝 昌弘
1
,
古田 節子
1
Katsuko Ozawa
1
,
Masahiro Taki
1
,
Setsuko Furuta
1
1名古屋市立東市民病院眼科
pp.650-651
発行日 1985年5月15日
Published Date 1985/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410209438
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- Abstract 文献概要
緒言 側頭動脈炎(以下TA)により発症した後部虚血性視神経症(以下PION)の報告は本邦ではみられない.早期のステロイド治療が博効を呈したTAによるPIONの1例を報告する.
症例 64歳男性.1983年11月14日初診.右眼が2カ月前から暗く見え近医で経過観察中であったが,2日前から右眼視力低下のため当科へ紹介された.既往歴は22歳左湿性肋膜炎,40歳右肺結核.52歳発熱,頭痛,赤沈亢進,CRP陽性で当院内科へ入院してステロイド剤で軽快,54歳他病院にて腹部大動脈炎で人工血管移植術,59歳汎下垂体機能低下症にて当院内科入院,以後コーチゾン25mg/日内服.60歳に高血圧症発症し降圧剤を時々服用.初診時視力右光覚,左1.5(n.c.),眼圧は両眼とも18.9mmHg.右眼の直接対光反応減弱.眼底は左右とも乳頭正常でH0S1.眼底血圧は右56.9/40.6mm-Hg,左59.4/43.3mmHg.右浅側頭動脈は触知困難.赤沈は75mm/1h,100mm/2hと亢進,白血球数12,500/mm3と多く,血小板数36.1×104/mm3,フィブリノーゲン470mg/dlと高値.
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