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特集 第37回日本臨床眼科学会講演集 (その7)
学術展示
Tilted disc syndromeについて—網膜,視神経レベルの検査に関して
Tilted disc syndrome. A clinical electrophysiological study
佐々木 美佳子
1
,
向野 和雄
1
,
大塚 賢二
1
,
石川 哲
1
Mikako Sasaki
1
,
Kazuo Mukuno
1
,
Kenji Ohtsuka
1
,
Satoshi Ishikawa
1
1北里大学眼科学教室
pp.982-983
発行日 1983年7月15日
Published Date 1983/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208975
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- Abstract 文献概要
緒言Tilted disc syndromeは1976年Young1)らによって①乳頭傾斜(乳頭逆位)先天性コーヌス,②下鼻側の網膜色素上皮層の菲薄,③近視性乱視,④両耳側視野欠損,⑤正常トルコ鞍等の特徴が提唱された。その後内外で,視野異常の原因についての論議が数多くなされている。今回我々は変視症を主訴とした本症の1症例に対して網膜,視神経レベルの機能検査2)を施行し,原因部位につき,苦干の考按を加えた。
症例49歳女性,左眼変視症と羞明感を主訴として来院。7年前より変視症を自覚し再発緩解をくり返していた。既往歴としては特記すべきことなし。家族歴としては高度近視者がいる。現症;視力右=0.1(1.2×—2.0D),左=0.1(0.7×−2.0D),前眼部,中間透光体に異常なく,瞳孔正円で,左右同大,対光反応,輻湊反応ともに正常。Amsler chartで左眼のみに縦横線ともに灣曲が認められた。眼底は両眼ともに視神経乳頭は下方に向かって,傾斜して下方コーヌスを認めた。視神経乳頭の下力は紋理状を呈し,下方ぶどう腫が認められた(図1)。検眼鏡的に網膜の屈折度を測定してみたが,その結果,両限ともに耳側網膜の上半部および下半部の間には6Dの差が認められた。螢光造影眼底写真では左眼のみに,window defectと思われる過螢光がぶどう腫の上縁とほぼ一致して認められた3)(図2)。
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