Japanese
English
総説
中毒性眼疾患について—視覚系毒性の作用機序を中心として
Ocular toxicosis-Toxicity on the visual system and on the role of action
向野 和雄
1
,
石川 哲
1
Kazuo Mukuno
1
,
Satoshi Ishikawa
1
1北里大学医学部眼科
1Department of Ophthalmology, School of Medicine, Kitasato University
pp.809-820
発行日 1975年8月1日
Published Date 1975/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203747
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I.はじめに
全身又は局所に,種々なる薬物,化学物質,その他の毒物が,治療の目的とか,汚染物質として体内に吸収されると,急性,亜急性,慢性の,時には致命的な不可逆性変化を特に感覚器として重要な視覚系に及ぼすことがある。この系は,網膜,視神経,視放線,視中枢などを含み,通常の毒物に対して極めて敏感に反応する系である。その他眼には,結膜,角膜,強膜,瞳孔,毛様筋,眼圧,水晶体,及び末梢より中枢迄の眼球運動系に障害を来すことも多い。今回は視覚系を中心に代表的薬物の作用機序を解説するが,その中心は,網膜及び視神経に作用する毒物とした。
現在これらの系を検査する方法も過去10年間に格段と進歩しているが,一般医家にはまだ余り知られていない。又この系を毒物について解説した総説も殆んどないのでここにそれをとり上げた次第である。
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