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後房レンズのループ固定位置および固定機序を解明するために,後房レンズ移植患者に隅角鏡,サイクロスコープ,CTスキャンによる臨床検査を行い,また角膜移植使用後の眼球にトレパン孔より後房レンズ移植を試み肉眼的に固定状態を観察し,家兎眼に実験的後房レンズ移植を行いループ周囲の組織反応を検索した。
(1)隅角鏡,サイクロスコープによる観察では,水晶体後嚢膜がループ先端部に向って緊張伸展してみられたが,ループ固定部を確認することはできなかった。
(2) CTスキャン像では,後房レンズの光学部が線状の陰影としてみとめられ眼内での大まかな位置判断は可能なものの,明確なループ像をうることはできなかった。
(3)トレパン孔より挿入した後房レンズのループが水晶体嚢内に固定された場合には,後嚢膜はループにより伸展,皺襞を形成してみられた。また一部の移植眼にはループ先端部が毛様体突起に接触,圧迫している所見もみられた。
(4)家兎眼による組織学的観察では,水晶体嚢内のループは線維芽細胞化した水晶体上皮により固定化されていたが,ループが毛様体虹彩実質内に陥入した部位では近傍の血管内腔が拡張し,電顕的観察ではこれらの血管のpericyteに変性崩壊像がみとめられた。
To identify the location of the loop of posterior chamber intraocular lens (PIOL), patient eyes with PIOL implant were clinically examined by cyclo-scopy and computerized tomography (CT). Ex-perimental PIOL implant was done in the human donor eyes through the corneal trephining wound. The position of the loop was observed posteriorly. To clarify the tissue reactions surrounding the loop, rabbit eyes which were sacrificed 1 month after PIOL implant were subjected to the histological study.
By cycloscopy, the loop ran parallel to the stretched posterior lens capsule.
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