Japanese
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連載 眼科図譜・284
ハンセン病の眼病変—II.虹彩
Ocular complications in Hansen's disease:II Abnormalities in the uvea
藤田 晋吾
1
,
吉村 睦雄
1
,
大庭 紀雄
1
Shingo Fujita
1
,
Mutsuo Yoshimura
1
,
Norio Ohba
1
1鹿児島大学医学部眼科学教室
1Department of Ophthalmology, Kagoshima University Faculty of Medicine
pp.1086-1087
発行日 1981年7月15日
Published Date 1981/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208388
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- Abstract 文献概要
ハンセン病(らい病)は,眼のいろいろな部分に病変をおこす。前報(臨眼35:898—899)で外眼部と角膜病変にふれた。ここでは,虹彩毛様体病変を紹介する。虹彩毛様体炎は,ハンセン病の眼病変中もっともしばしばみられる。著者らの690例の観察では75.5%にみられた。
虹彩毛様体炎は,ハンセン病の発病初期からおこるが,最初は自覚症状にとぼしい。すなわち,虹彩は一見正常であり,少量の前房微塵,水晶体表面の色素沈着,瞳孔光線反応の遅鈍などをみる。炎症はきわめて慢性につづくため,しだいに異常所見が明らかとなる。毛様充血は軽く,前房には細かな微塵が浮遊し,角膜裏面に露滴状もしくは細かな点状沈着物をみる。瞳孔はしばしば棒針頭大に縮小し,光線反応の欠如,瞳孔薬に対する反応の欠如が特徴的にみられる。虹彩色素が一度に大量に脱落して前房蓄膿の観をみることもある(図1,2)。経過とともに,虹彩の紋理や光沢はしだいに失われる。虹彩の表面,とくに瞳孔縁の近くで,粟粒大もしくは稗粒大のらい腫(iris pearls)の出現をみることもある(図3)。数年〜数十年が経過すると,虹彩萎縮はきわめていちじるしくなり,偽多瞳孔(pseudopolycoria),蝶の羽形状,車軸状の孔形成による独特の瞳孔がみられる(図4,5,6,7)。虹彩前癒着,虹彩後癒着,併発白内障も生じる。
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