Japanese
English
連載 眼科図譜・283
ハンセン病の眼病変—I.外眼部,角膜
Ocular complications in Hansen's disease.:I. Abnormalities in the lid, conjunctiva and cornea
藤田 晋吾
1
,
吉村 睦雄
1
,
大庭 紀雄
1
Shingo Fujita
1
,
Mutsuo Yoshimura
1
,
Norio Ohba
1
1鹿児島大学医学部眼科学教室
1Department of Ophthalmology, Kagoshima University Faculty of Medicine
pp.898-899
発行日 1981年6月15日
Published Date 1981/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410208363
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- Abstract 文献概要
ハンセン病(らい病)は,らい菌の感染による慢性伝染病であり,眼は病変の好発部位である。わが国では罹病者は近年とみに減少して,全国で1万人ほどとみなされるが,世界の各地にはなお推定で1,000万人という多数の罹病者が存在し,主要な失明原因となっている地域も少なくない。眼病変は,眼瞼.角膜,ぶどう膜など広範囲におこるが,その発生頻度や重症度は罹病期間と治療に依存するほか,罹病者の住む地域にも左右される。すなわち,寒冷地域では,温暖地域とくらべて眼病変の合併はより頻度が大きく,かつ重症である。また,臨床病型かららい腫型(lepromatous type)と類結核型(tuberculoidtype)が区分されるが,前者のほうが眼病変をより高率に,かつ重症に合併しやすい。
ハンセン病にみめれる眼病変はふるくから詳細な記述があるが1),実物カラー写真を記録した報告はあまりみられない。著者らは,国立療養所星塚敬愛園(園長:大島新之助博士)において,690名の罹病者の眼を観察した。細隙灯顕微鏡写真など新しい資料をえたので紹介してみたい。
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