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1960年から1979年までの20年間に九大眼科を受診し,病理組織学的に眼瞼部悪性腫瘍の診断が確定した47症例について検討を加え報告した。
(1)病理組織学的分類は扁平上皮癌24例,基底細胞癌14例,腺癌6例,悪性黒色腫2例,悪性リンパ腫1例であった。基底細胞癌が圧倒的多数を占めるとする従来の報告とは異なり,扁平上皮癌が最も多く認められた。
(2)患者の平均年齢は,扁平上皮癌65.7歳,基底細胞癌70.3歳,腺癌65.3歳といずれも高齢者に多く認められた。
(3)男女差は特に認められなかった。
(4)発生部位別では,扁平上皮癌は上限瞼に,基底細胞癌は下眼瞼に多く認められた。また腺癌では全例上眼瞼に発生していた。
(5)経過観察のできた37症例のうち再発および転移はそれぞれ3例ずつ認められた。また原病死は2例に認められた。
(6)転移をきたした3症例は全て良性の腫瘤として安易に処置された既往があり,組織検査ならびに初回治療の重要性が再認識された。
A total of 47 eyelid cancers in the Kyushu Uni-versity Hospital during a 20-year period from 1960 through 1979 were analyzed. The peak incidence in this series was between 70 and 79 years. There were 24 males and 23 females. Squamous cell car-cinoma was the most frequently encountered lesion in this study, accounting for 24 (51.1%) of the le-sions. Basal cell carcinomas were found in 14 speci-mens, sebaceous adenocarcinomas in 6, malignant melanomas in 2 and malignant lymphoma in 1.
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