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I.まえがき
角膜の搏動現象は主として眼内動脈樹の搏動性容量変化によつて生ずるものであるが,この現象を慶大式電気眼底血圧計(MPR−30V)で記録して得られた波形(CAP波)の位相について,川島氏と吾々との間に見解の相違がある。氏はCAP波イコール角膜脈波と見做して,角膜脈波が表現する種々の眼内現象を説明しようと試みた。
吾々はCAP波のように人為的に記録される波形は,単に生体部分の動きを平面的な影絵で示したものに過ぎず,生体の立体的な動きはそうした影絵ですべてが分る訳のものではない。即ち角膜脈波と呼ばれる角膜搏動の生理現象は,動脈循環の場でその一環として把握して始めて,影絵であるところのCAP波と生理的な角膜搏動現象との関係が判然とするものであると考察し,脈波伝達速度・動脈波形・眼動脈波の位相等から解析して従来のCAP波は角膜搏動現象を恰かも鏡像の如く逆さに写し出したものに他ならないことを結論した。1)
Using a electronic sphygmotonometer MPR-30V of Keio University type, a study was made of the interrelationship between corneal pulse waves and curves recorded by this apparatus (CAP waves).
A study of CAP waves of patients with ventricular extrasystole disclosed that corneal pulse waves were represented by the mirror image of CAP waves, not by CAP waves themselves, revealing a decrease in curvature of the cornea during systole.
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