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I.はじめに
ヒトにおいて頭部を回転すると,その回転の方向へ向かつて急速相をもつた眼振が誘発される。眼振は頭の回転の軸にたいして直角の方向にひきおこされ,頭の回転の軸を変えることによつて,水平性,回旋性,垂直性,斜行性またこれらの混合したものなど,方向に関してほとんどあらゆる型の眼振を発現させることができる。
この反射性の眼振は身体回転中,眼の物体固視に役立つもので,実際この眼振は,明所で開眼状態すなわら,物が見えている状態のとき,もつとも著明に出現する。しかし暗所において,あるいは閉眼においても同様な眼振が認められ,半規管がこの反射に関与していることがわかる。正常人において身体回転時,暗所,閉眼における眼振(ないし眼球運動)の差異はいちじるしいものがある。これに取るように,眼振のあるなしやその頻度の大小は,この際,一応別にして,振子様回転における眼球偏倚の大きさとその速度をみると明所におけるそれらは,暗所,あるいは閉眼時の約2倍であることがわかる。
In each of mammals stimulation of a singlesemicircular canal causes an eye deviation in the plane parallel to which the canal is stimulated. As illustrated in the text, the induced eye deviation is expressed with a vector which is related to the canal. The vectors may be summated to become a single vector or a vector may be analyzed to be composing of several vectors. These vectors mdicate eyemovements.
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