斜視の原因と治療
V.逆位相眼球反射運動(石川)と外斜視
三井 幸彦
1
1徳島大学
pp.1042-1043
発行日 1979年7月15日
Published Date 1979/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207932
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前回は石川教授によつて発見された眼球の逆位相反射について述べたが,本反射の特徴について,その続きを記載する。
1.光刺激:この反射はDominant eyeに光刺激を加えておかないと惹起されない。図1はそのことを端的に示すEOGである。Dominant eyeを開放してForcedductionを加えるとSlave eyeが逆位相運動をするが(図1,明),Dominant eyeを閉瞼してForced ductionを加えても(同図,暗),Slave eyeは動かない。「暗」になるとDominant eyeの強制運動がスムーズになり,その振幅も,同じ力で強制運動させているにもかかおらず,大きくなる。その理山は第3項をみよ。なお本反射には学習現象があり,高度に学習された(manifest化された)場合には石川教授によれば光刺激がなくても反射がおこるようになるという(潜伏眼振の例)。
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