斜視の原因と治療
Ⅰ.外斜視の原因
三井 幸彦
1
1徳島大学
pp.366-367
発行日 1979年3月15日
Published Date 1979/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207833
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斜視は何故おこるのだろう。斜視には色々の種類があるけれども,日常最もしばしば遭遇する普通の内斜視と外斜視とについて,その原因を考えてみよう。原因がわからなければ,適切な治療はできないからである。
斜視学の原因論の開祖といわれるFrancis BernardChavasseは,斜視のおこる原因はFusionの未発達,または一度完成されたFusionの喪失の二つであるという。真のFusion(Convergenccを伴つたBifoveal fix-ation)は人類特有のもので,動物では類人猿にその痕跡があるにすぎない。系統発生的にみると,できたばかりの「ひよわ」な機能で,容易にこわれるのである。
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