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外斜患者でMF現象のおこる者,またはこの現象がおこらなくとも筋電図を検査してSlaveeyeの外直筋に異常放電があるか(PF型),または内直筋のTonusが異常に低下している者(NF型)では,Master eyeを手術すると卓抜した効果がある。実際間題として外斜患者の少なくとも90〜95%はこの種のものであることが推定される。したがって日常の臨床ではDominant eyeが決定できれば筋電図の検査は省略しても大過ないと思う。
手術は斜視角の小さい者では,Master eyeの内直筋短縮のみでよく,斜視角の大きい者では内直筋短縮と外直筋後転とを同時に実施することが望ましい。手術量は斜視角から算定した量がかなり正確に再現性がある。
手術48時間後において正位または2°以内の外斜位になった者は,1〜3カ月後の検査で正位(または検査によって見つけうる程度の軽微な外斜位で,実質的に正位と見なしうる)を保ち,その効果は安定して持続される。定量手術によって約60%の者はこの範囲に入り,過矯正の補正を加えると約75%が正位になる。
過矯正は極めて軽微(手術翌日5mで同側性1°の複視)なものを除いて禁忌であり,障害を残すおそれが大きい。それで手術の翌日補正する必要がある。
Sixty-nine cases with essential exotropia were treated by operating on the 'Master eye', i.e. domi-nant eye as against the 'Slave eye' (subordinate eye). The identification of the Master eye was made bythe presence of Magician's Forceps phenomenon (MF). In cases in which the MF phenomenon was equivocal, the presence of intense discharge in the lateral rectus muscle or diminished discharge in the medial rectus muscle in the Slave eye by electro-myographic examination served in identifying the Master eye.
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