Japanese
English
臨床実験
糖尿病性白内障の形態的特徴について
Studies on the morphological changes of diabetic cataract
天羽 栄作
1
,
羽飼 昭
1
Eisaku AMAHA
1
,
Akira HAGAI
1
1慶大眼科
1Ophthalmological Department, School of Medicihe, Keio Universitiy.
pp.1221-1226
発行日 1961年12月15日
Published Date 1961/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410207346
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I.緒言
さきにわれわれは糖尿病患者の白内障の発生頻度を同年齢のドック入院患者の白内障の発生頻度と比較した結果,有意の差を以て糖尿病患者の白内障の発生頻度が高かつたことから,糖尿病は少くとも水晶体混濁を促進させるように作用していることが推察されるとして,此のことを報告した(日眼64巻3号)1)。然し如何なる混濁状態が糖尿病に特徴的であるかと言うと,多くの文献に見られる如くその形態は全く多彩である。若年糖尿病患者に急速に水晶体混濁が進行した場合は糖尿病が原因となつているとしても誤りはないが,中年以後の糖尿病患者に白内障を発見した場合に,之を老人性白内障とするか,糖尿病性白内障とするかは判断に迷う所である。故に今回は糖尿病性白内障の形態的特徴を明らかにしようとして,細隙燈顕微鏡を用いて糖尿病患者の白内障と,一般の老人性白内障の混濁状態を比較した。その結果,前嚢直下の微塵状混濁が糖尿病性白内障に特徴であると思われたので此所に報告して各位の御批判を仰ぎたい。
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