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特集 第18回日本臨床眼科学会講演集 (その1)
学会講演
老人における糖尿病性白内障
Diabetic cataract in the aged
古味 敏彦
1
,
竹谷 正
1
,
大塚 弘子
1
,
下出 喜久子
1
Toshihiko Komi
1
,
Tadashi Taketani
1
,
Hiroko Otsuka
1
,
Kikuko Shimoide
1
1大阪市立大学医学部眼科学教室
1Department of Ophthalmology, Osaka City University Medical School
pp.159-162
発行日 1965年2月15日
Published Date 1965/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410203120
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I.緒言
一般通念によれば,40歳以上になると,老人性白内障と糖尿病性白内障との区別は不可能に近いとされている。しかし,三橋等1)は,若年者であることを糖尿病性白内障の一つの診断根拠とすることに対しては疑問を投げかけ,加藤等2)は,糖尿病患者における白内障発生頻度は非糖尿病者におけるよりも大ではあるが,診断基準のとり方に問題があるとした。ところが,天羽等3)は,前嚢直下の微塵状混濁を糖尿病性白内障の特徴とみなせば,糖尿病を有する老人の60%に糖尿病性白内障が存在すると報告した。ところで,私共は最近,水晶体皮質における緑色螢光の発現は糖尿病患者以外には稀にしかみられないことを発見したので,この現象を新たに診断の根拠の一つに加えて検討したところ,老人の糖尿病患者22名中,糖尿病性白内障の徴候が全く認められなかつた者はわずか1名にすぎない(38-8102)という結果をえたので,その内訳を報告する。
Subcapsular opacity of cristalline lens seen in the old diabetic patients is similar to that seen in diabetic cataract in the young.
An abnormally high concentration of green fluorescence in the lens cortex, which is clo-sely related to glycosuria and retinopathy, is pathognomonic of diabetes in the old.
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