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I.緒言
著者等は,昭和32年以来慶大付属病院に開設せられた,眼科の糖尿外来と,川崎市立病院眼科において,糖尿病患者の眼合併症について,比較的詳細な観察を行つて来た。その成績の一部は,既に数次に亙つて発表してきたが1)〜6),これまでの報告の対象は主として,網膜病変・白内障及び血圧亢進と網膜病変との関係等に止まつたのである。
併し,糖尿病の眼合併症は以上にとどまらず,眼瞼・角膜・虹彩等にもいくつかの合併症が知られ,又外眼筋麻痺及び屈折状態の変化等は,従来特に注意せられてきたところである。故にこれらの合併症の実情を知り,その臨床的意義を評価することは重要と思われるが,わが国では,これらの点に関しまだ詳細な統計的観察が乏しくその実情が充分に明らかでない。著者の観察例も近時465例に達したので,この機会に眼合併症の全般にわたつて,統計的に観察することも意義あることと思い,ここにその概要を報告する次第である。
Authors made statistical observations on the eye-complications of 465 diabetics (348 males and 114 females) and concluded as follows:
1. Cataract was found in 142 cases (30.6%). It was most frequent (64.8%) in the group of 10-14 years duration of the disease. And in the group of over 15 years duration, cata-ract was less frequent compared with the incidence in the group of 10~14 years duration.
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