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特集 第13回臨床眼科学会号
一般講演
「まぶしさ」による視野変化の研究
Studies on visual changes due to glare (summary)
吉野 美重子
1
M. Yoshino
1
1和歌山医大
1Dept. of Ophth., Wakayama Medical College
pp.513-514
発行日 1960年2月15日
Published Date 1960/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410206885
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- Abstract 文献概要
一般に視野の照度が上昇すると,視力はよくなるものであるが,その照度が極めて高くなると,我々は「まぶしさ」を感じ視力は却て低下の傾向を示す。又,視野の照度或は光束発散度のムラが著しい場合,視野内に高い輝きの物体が現われて来る場合,或は眼に或種の疾患のある時には,極めて明るくなくても,同様に「まぶしさ」を感じると共に視力の減退が現われてくる。私はかかるまぶしさ状態の場合に,視力のみでなく,視野に於ても同様の変化の現われることを見出だした。即ち,既に報告したが,家族性進行性黄斑部変性症10例,黄斑部萎縮症2例,日食性網膜炎2例,陳旧性中心性網膜炎2例に於て,或程度以上,照度を上昇すると,輪状暗点,求心性視野狭小等の出現を見たのである。この様な変化に関して,飯沼及び私は,視野照度の増加と共に視機能に最も肝腎な黄斑部の機能を保つ為に,他の部の機能を犠牲にして,網脈絡膜の末梢血管が特異的に収縮するものであろうとの意見を述べた。この事は逆に次の事項によつても分る。即ち,前述の症例の如きものに末梢血管を拡張する薬物を用いると,視野狭小現象の軽快とまぶしさ感の軽減等を同時に得られると云う興味深い結果を得た。黄斑部萎縮症にカレクレインを,黄斑部変性症,陳旧性中心性網膜炎にプリスコール,アダプチノールを用いた場合の視野狭小現象の軽快をスライドによつて示した。
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