東と西・2
ロンドンの印象
長谷川 泉
pp.61-64
発行日 1955年11月15日
Published Date 1955/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909982
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傾ける老残の姿
ドーヴァ海峡を越えるとロンドンである。私はフランクフルトからDLH(ドイッチェルフトハンザ)で飛んだ。2時間半である。BEAの予定を時間の関係で変更したのだが,ルフトハンザでは「お前は外国人なのに,ドイツの飛行機に乗つてくれる」と言つて喜んでいた。いかにもドイツ人らしい言いぐさだと思つた。
ロンドンはニューヨークに世界第一をゆずつたが,過去幾世紀にわたつて蓄積された富の塊だという印象を蔽い得なかつた。過去の栄光と伝統は街のすみずみにまで感じられる。やはり貫録というものであろう。
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