眼科新知識
Lichtkoagulation
秋山 晃一郎
1,2
1順天堂大学
2ボン大学
pp.516-523
発行日 1957年3月15日
Published Date 1957/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410205997
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ボンで一番古風なWeinstube,"Streng"で,並々とついだモーゼル酒の杯を傾けながら,Meyer-Schwi-ckerathの話が始まります。"僕がLichtkoagulationとゆうアイデアを考え出したのは,1945年7月10日,日触を観察して黄斑部にヤケドを起した患者を診察した。丁度その時だつたよ"。そう言つた彼は,又杯を傾けては,私がトンボとアダナをつけた丸つちよい顔をゆさぶつて,ケラケラ笑うのでした。蝋燭の火がゆらゆらと,遙ぐとそれは何か大きな仕事をしている男のたくましい響きをもつて聞えます。
今夜はDozent Dr. G. Meyer-SchwickerathのLichtkoagnlationについて報告いたします。文献をあさつて見ますと,成程彼がLichtkoagulationを一ぱしに完成するまでには,相当苦労したらしい跡がうかがえます。最初に彼は太陽光線を集めて家兎の眼底を焼きました。その後はアーク燈にかえ,一応成功したようには見えましたが,後で家兎にも人眼にも,多くの障害が発見されたそうです。例えば赤外線を含んでいた為に,水晶体に病変を起したり,又董外線を含んでいたために,角膜を障害して了つたりしたことです。Graefes Archiv1)にかかれているこれ等の経験により,光の強さ,照射時間,そして波長などを改良した結果,現在のような特殊な処方の炭素を用いたアークランプの製造に成功したそうです。
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