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I.緒言
古来トラコーマ性パンヌスの存在はトラコーマの診断上重視され,本邦でも早くより河本,菅沼,桑原等の多くの記載があり,外国でもWilson,Lopes de Andrade,Busacca,Duke-Elder等はパンヌスはトラコーマの初期に発生するとし,殊にLoewenstein,弓削等はトラコーマ性パンヌスは角膜のアレルギー反応であるとし,近年Natafはトラコーマによる真の角膜炎であるとしたが,清水,岡村,清水,河本,三井等もパンヌスを以て角膜に於けるトラコーマ病変そのものであるとし,石原,青木,Thygeson等も接種トラコーマで接種6週後よりパンヌスを見ている。
かくしてパンヌスは組織学的にも臨床的細隙灯的にも血管が球結膜より連続進入して必ずPalli-sades zoneを超える血管異常とされ,同時に角膜中にも所謂濾胞を作ることが少くないとされる(Nataf)。そして従来これらの臨床的見解細隙灯所見によつてVogt,Koeppe以来Howath,Bu-sacca,中村,呉,山根,牧内,宮田,松本,国友,大山等多数のものによつて支持されている様であるが,未だ充分の検討がなされて居らない状態である。然も近来トラコーマの診断上パンヌスの細隙灯所見が重視されるようになつて来たが,従来慢性に経過するパンヌスに就ては多くの研究が有るにも拘らず,急性に経過するパンヌスに就てはその研究が比軽的少ないうらみがある。
The following results were collected for 220 eyes of initial pannus.
1. In the early diagnosis of initial trachoma, edema localized in a limbus, newly built blood vessels, follicles on the corneoconjunctival limbi are important as microscopic findings. Afterwards, variation of the capillary, limbal superficial Keratitis, and corneal punctate in-filtration become important as for the differential diagnosis in trachoma.
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