普通講演
(24)トラコーマ・パンヌスの分類に就て
久富 良次
1
1國立霞ケ浦病院
pp.116-120
発行日 1951年2月15日
Published Date 1951/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200785
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
トラコーマ(以下「ト」と記す)の分類法にはMac Callan氏石原教授,庄司教授その他數種の方法があり,就中Mac Callan氏分類(1934)は國際的に廣く採用されているもので,我が國に於ては伊藤教接(1935)により紹介されて以來漸次一般に普及し,最近では之に從つている人が多いように見受けられる。
何れの方法も分類の根據は主として瞼結膜の他覺的所見にあつて,角膜の所見即ちパンヌス(以下「パ」と記す)に就ては餘り重きを置いていない。言うまてもなく「ト・パ」は「ト」にpathogno—monicの病變であつて,「パ」を確認することは「ト」の診斷を確定する上に重要な意義を持つものであり,又進展した「パ」は視機能を障碍する點に於て,實地診療上重大な症状である。從來「ト・パ」の特殊な型に對しては,例えば輪状「パ」とか全「パ」とかいう呼稱が常用されているが,「パ」全般的の分類は餘り行われていないようである。
Copyright © 1951, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.