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緒言
われわれは先に,形成外科領域において賞用されているfull thickness skin graft (F.T.S.G.)のtie-over法を眼科的にも応用してみて好結果を得たので,第1報1)として眼瞼部における手術法の実際について報告し,また第2報として第23回臨床眼科学会ではその臨床的な面を主に,第15回形成外科学会総会ではその動物実験を主に発表した。また第1報発表のさい,形成外科的に興味のある手技を利用した眼形成手術についても引き続き症例報告を行なうことを述べたが,ここにまず第3報としてdouble pedicled flap techni—que2)を利用した眼瞼の形成手術について報告したい。
すなわち上顎癌は耳鼻科外来患者総数中の約0.5%を占め,また入院患者総数中の約5%に当る,近年手術機会の増加せる悪性疾患であり,眼球もともに摘出しなければならない場合はさておき,そうでない場合は術後の頬部の目立つた醜形とともにorbital floorの消失による眼球の落ち込み,兎眼,捷毛内反,難治の多発性角膜びらん,放射線白内障,および放射線網膜症等のために患者のみならず眼科医をも著しく悩ましめる疾患の一つである。
A case report of the bridge flap repair for lagophthalmos by the scar contractures which resulted from the radical operation of the cancer in the maxilla is presented. The technique is also effective for extensive crush injuries to the lower lid down to the cheek.
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