連載 ドライアイと関連疾患
ドライアイと兎眼
上田 幸典
1
1藤枝市立総合病院眼科
pp.46-48
発行日 2015年10月31日
Published Date 2015/10/31
DOI https://doi.org/10.34449/J0042.10.02_0046-0048
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
兎眼は,閉瞼が不完全で眼表面が露出する状態を言う。兎眼の程度は,全く閉瞼できない状態から夜間のみに閉瞼できていない,いわゆる夜間兎眼まで様々である。兎眼の程度が高度の場合,角膜混濁など不可逆的な障害をきたしうる。一方で,兎眼の程度が軽度の場合,ドライアイ症状を主訴に受診し兎眼が見逃されることもある。本稿では兎眼の原因や,診断法,原因に則した治療法などを解説する。「原因」兎眼の原因で最も多いのが顔面神経麻痺であり,その他に,眼瞼疾患(眼瞼外傷,手術後の瘢痕,眼瞼下垂の過矯正,眼瞼外反など)や眼窩疾患(甲状腺眼症,眼窩腫瘍など)が原因となる。顔面神経麻痺によって生じる兎眼は麻痺性兎眼と言われ,中枢性のものは脳腫瘍や脳梗塞など,末梢性のものは外傷や聴神経腫瘍切除時の神経障害,特発性顔面神経麻痺(Bell麻痺)などによって生じる。「KEYWORDS」麻痺性兎眼,瘢痕性兎眼,Bell現象,眼瞼の形態・機能障害
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.