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緒言
糖尿病性網膜症の経過中,後極部網膜に出血,浸出物,浮腫,増殖性網膜症等の病変が出現すると,視力は著明に低下することは良く知られているが(Gass1),Dobree2)),また,これらの変化は視野にも変化をもたらす。King3)は,網膜に浸出性変化をもつ糖尿病患者の中心視野において,以前浸出物が認められ,その後浸出物が消失した場合でも,この病変のあつた部位に相当する暗点が検出されたことから,糖尿病による浸出性の変化は網膜のneuronに永久的な障害を与える可能性のあることを指摘した。Roth4)は,糖尿病者では,網膜症の存在する場合でも,また検眼鏡的には正常の眼底をもつ場合でも,暗点が検出されると報告しており,また最近Wiszniaら5)や石川ら6)は,浸出性網膜症とisopterの変形(限局性弓状沈下)に着目している。このように糖尿病性網膜症の経過観察における視野測定の意義の重要性は次第に注目されるようになつてきたが,前述の研究はすべて動標視野測定法によつて行なわれたもので,各Isopterの間の感度の変化を明らかにしていなかつた。一方,中心部視野測定をより精密に行ないうる静標視野測定法は,LakowskiとAspinall7),RuobinsteinとMyska8)等により,糖尿病性網膜症を有する患者について行なわれたが,これらの研究でも,網膜症の進行度と視野変化との関係を十分に明らかにしていなかつた。
Static perimetry was carried out on patients with diabetic retinopathy using a Tubinger pe-rimeter. The profiles within the 30° field were compared with the findings from funduscopy and fluorescein fundus angiography.
Funduscopy showed microaneurysms and sma-ll hard exudates in the posterior pole of the retina in twelve eyes, and intraretinal dye le-akage was found in the small areas around the microaneurysms and the affected capillaries when fluorescein angiography was carried out.
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