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緒 言
糖尿病性網膜症における後極部の網膜浮腫は,視機能に重大な障害を与える点で重要な所見の一つである1)。この病変は,眼底の血管の透過性亢進によつて生ずるが,例えば,輪状網膜症の場合のように透過性亢進が血管の一部に限局されている場合2,3),視力に対する影響は,病変が黄斑部にかかるか否かによつて決まる。一方,後極部網膜に広く浮腫の生ずる場合,その基盤となる血管の変化はより複雑であり,視力の経過も症例によつてまちまちで,比較的良好な経過をとるものや,浮腫が消失しながら視力はむしろ低下する場合等がある4)。そこでもし,初診時の網膜血管の状態から視力の経過の予測が出来るものであれば臨床上極めて有用であるが,このことについての我々の知識は極めて乏しい。
今回著者らは,広範囲な網膜浮腫の原因となつている血管変化の状態と視力の経過との関係を,多数の眼について検討することから,予後について興味ある知見を得たのでここに報告する。
We evaluated the clinical course of diabetic macular edema in 73 eyes of 60 patients over an observation of two years or more. All the cases were treated medically for diabetes mel-litus. Also, the majority of eyes were treated by xenon photocoagulation.
The presence of extensive paramacular non-per fusing area and of prepapillary new vessels were two main factors which were associated with the severity of macular edema and un-favorable prognosis as to visual acuity.
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