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I.はじめに
近年,電子顕微鏡,組織化学的検索,およびエレクトロニクスの発展に件つて,眼の調節についても,漸次明らかになりつつあるが,しかし,いまだ最も基本的な問題ともいえる調節の機序や支配神経についても,種々の説があつて,未解決の部分も多い。すなわち,眼の調節の原動力となると考えられている毛様体筋の神経支配についても,大塚教授1),平野氏2)3)は,副交感神経単一支配を主として述べており,谷口氏4)5)6),田川氏7)8)9),中村氏10)11),田川氏ら12),宇賀氏13),は二重神経支配を報告し,また鹿野教授は,本年の日眼総会(73回)の「眼と自律神経」と題する特別講演で,毛様体筋の支配神経についても述べられ,交感神経支配の関与を示唆されたが,明確に断言はなされなかつたようである(現在,原著は未刊であるが,間もなく発刊されよう)。このように,毛様体筋については,神経支配は,副交感神経単一支配なのか,二重神経支配であるかの判定は,なかなかむずかしい。
一方,自律神経作動薬剤は点眼薬として,偽近視の治療に広く使用せられており,その有効理由は,毛様体筋を支配する自律神経を介して毛様体筋をcycloplegicにするか,もしくはcycloplegiaの状態にすることによつて調節状態を変動せしめて,治療するというところにある。
The report was made of the near accommo-dative power, the far accommodation power and accommodative rest position of 38 eyes from 11 to 30 years old, consisting of 21 emmetropic eyes and 17 myopic eyes, with accommodometer (Osaka University type II). The medicaments such as parasympatholytic agent (Mydrin M, 2% Atropin, 1% Cyclogyl), sympathomimetic agent (Neosynesin), para sympathomimetic agent (5% Pilocarpine), mixture of parasympa-tholytic agent and sympathomimetic agent (My-drin M and 5% Neosynesin), and anti-choline-sterase (0.125% Phospholin Iodide) were used.
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