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I.緒言
先天緑内障早発型(水眼症)に関しては,近年多くの報告が諸外国で発表されており,先天緑内障の成因,および治療についての研究成果には,めざましいものがある1)〜4)。これに伴つて,これまで若年緑内障という漠然とした定義の中に含めて分類されていた先天緑内障の遅発型を,一つの型の緑内障として分類する傾向が現われてきた5)〜8)。これらの報告では,前房隅角部の臨床的な観察,または組織所見による発生学的な異常を追究して,早発型との比較研究が進められている。そしてこの種の緑内障の成因については,隅角部の分離過程が中途で中止した形成不全であると解釈されている。
われわれは現在,先天緑内障遅発型の一家系を調査中であり,これらの検査成績治療成績などを順次発表する予定であるが,先天緑内障の眼圧を中心とした臨床像についての報告はほとんどない。今回はこの一家系に見られた臨床的な特徴を紹介するとともに,従来まつたく追究されていない眼圧日内変動を中心に,この種の緑内障の眼圧について述べてみたいと思う。
A group of congenital glaucoma occurring in one family is described together with an attempt to clarify the peculiar characteristics as to the clinical feature and the intraocular pressure of the group inclusive of diurnal va-riation.
The trait was apparently transmitted as au-tosomal dominant. Out of the 21 known mem-bers of the family belonging to 4 generations, 16(13 females and 3 males) were affected with glaucoma (Fig. 1, 2). The present authors could examine 7 cases : 2 belonging to the 3rd generation and 5 to the 4 th generation.
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