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I.緒言
再発を繰返す事の多い眼疾患の中でも,外見上それと明らかに判るものの一つに,翼状片がある。本症に対しては従来,諸学者により,種々の手術法が発表せられて来たが,決定的と思える方法がなかつた。翼状片別出後の頭部の処置,片全体の剔出除去,結膜弁の後処置,縫合の良否,等々種々論議せられたが,仲々満足すべき成果が得られず,度々再発を重ねる症例があつた。然し,最近に至り,SR90 8)やβ線4)11),軟X線6)等による翼状片手術療法が試みられ,相当の効果をあげている。又Thio Tepa及びTespaminのリンゲル溶液を用いた例3)も報告せられている。著者が,これから解説せんとする方法は,一昨年日大の国友教授ら1)2)3)10)によつて発表せられた,マイトマシンCの点眼(以後マ点と略記する。)による方法である。これは抗腫瘍性物質であつて,従来,内服や注射法12)によつて,広く使用せられていたが,点眼法としては利用されていなかつた。この国友氏らの方法は,手術々式として,強膜露出法を用い,その後療法としてマ点を行なうのみで,操作が極めて簡単であることは,大病院ならずとも,一般開業医の諸先生が,外来で充分行ないうるわけである。そして本法が再発の極めて稀なことを確かめ得たので,これの解明を写真を用いて行なわんと試みたわけである。その効果と事実とは,正に一目瞭然である。
Instillation of 0.04% Mitomycin-C solution thrice a day was conducted for two weeks after surgical removal of pterygium in 15 patients. All cases but one showed satisfac-tory cure without recidives. Similar treatment was also effective as postoperative procedure after excision of pseudopterysium caused by facial burn.
The local postoperative condition became stationary from three months on after surge-ry.
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