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特集 第16回日本臨床眼科学会号(4)
一般講演
眼圧下降剤としての10% Ismelin点眼液の使用経験
Clinical use of 10% Ismelin
上野 賢一
1
,
辻 克夫
1
,
福田 量
1
Kenichi Ueno
1
,
Katuo Tuji
1
,
Hakaru Fukuda
1
1九大眼科教室
1Department of Ophthalmology, Kyushu University
pp.641-646
発行日 1963年5月15日
Published Date 1963/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202725
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Ⅰ.緒言
交感神経遮断剤を用いて眼内圧を低下せしめようとする試みは,過去に於ても,Ergotamin,Imidarin, Dibenamine等を用いて行われたがそのいずれも効果不充分,又は強い副作用の為に臨床的に緑内障の治療には不適当であつた。しかるに,高血圧治療薬(降圧剤)として,最近Maxwdll, Mullらにより新らしく創製されたIsmelin (Guanethidin)はGanglionとRecep—tor間の末梢交感神経に作用し,従来の神経遮断剤又は交感神経麻酔剤と異なり,選択的に末梢交感神経を抑制するが,同時に副交感神経を抑制することはないと云われている。従つてIsmelinを点眼すれば,他の器管の機能,殊に血圧に影響を及ぼさず,眼内交感神経を抑制し眼内圧を降下せしめることが考えられる。
われわれは正常眼及び単性緑内障眼に10%Ismelin点眼液を用いて著明な眼圧の低下を認めたのでその結果について述べる。
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