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I.いとぐち
眼圧上昇に対する薬物療法としてはAcetazol—amide及びDichlorphenamide等の炭酸脱水酵素阻害剤と高滲透圧剤とがあるが,眼圧下降効果は前者のAcetazolamide等は高眼圧症例では必ずしも速効的ではなく,また確実を期し難い場合がある。このため緑内障急性発作時及び眼圧上昇眼に対する手術の前処置としては更に速効的で確実な眼圧下降作用を有するOsmotherapyが有効であり,このうちでもGalin氏等1)及び相沢氏等2)により提唱された高張尿素液がすぐれているとされ広く用いられて来ている。しかし高張尿素液にも溶血を来すことがあり3),電解質変動を来し,心電図上にも変化をもたらし4)5),腎及び心障害を有する症例に対する投与は考慮されねばならない他,局所刺激性が強い等の少からざる欠点を有することが知られて来た。このため相沢氏6)は尿素投与法を経口投与法に変えることにより,これらの欠点をやや補いうるとしているが,高張尿素液にまさる理想的な滲透圧利用による眼圧下降剤の出現が望まれる処である。
上昇眼圧に対する高滲透圧剤の選択は上昇脳圧に対するそれと一致するものであり,現今理想的脳圧下降剤とし,次第に応用されつつある高張マンニットール液7)8)も眼圧下降剤として応用し得る筈であり,実際昨年Weiss氏等9)は10例に対して本剤を用いた結果を報告している。
The authors attempted the clinical applica-tion of 15% Mannitol solution for the reduc-tion of intraocular pressure, with a view to find an alternative for hypertonic urea the-rapy without its unfavourable side effects.
Mannitol was administered to 6 glaucoma subjects and 10 normal subjects at the dosage of 1 to 3 gm per kg body weight by intravenous infusion. It was given to fur-ther 4 cases with normal intraocular pressure in the same dosis for the preoperative redu-ction of intraocular pressure. The ocular tension resulted in a remarkable decrease after the administration in both groups.
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