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臨床実験
トラコーマの疫学的観察(第2報)—学童とトラコーマとの関係に就て
The Epidemiologic Observation of Trachoma. Report 2:On School Children
許 秋木
1
1大阪赤十字病院眼科
pp.833-835
発行日 1954年8月15日
Published Date 1954/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201942
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嚮に私はトラコーマ(以下「ト」と称する)め疫学的観察を行い其の第1報として眼科医療施設に就ての報告を行ったが,今回は学童に就ての疫学的観察を報告する。最近迄に行われた学童「ト」に就ての報告は第1報に述べた如く可成り行われて居るが,何れも一地区又は数校に関するもので,府県全体に関するものはないので,私は戦後大阪府下の全小,中,高等学校,幼稚園に就て調査を行つた。大阪府は面積1814平方km,人口3857047人,人口密度は1平方km当り2126名で,日本で第2位に当り,本州の中央部に位置し,河川,山脈,平野に富み,都市農山村多く,交通発達し,産業も種類に富む為かゝる環境における「ト」の疫学は興味あるものと思われる。大阪府下の学徒総数は711259名(昭和25年4月)で,此の全員の悉皆調査は短期間では不可能であるので,先ず文部省学徒身体検査規則により実施した検査成績を高等学校以下幼稚園迄調査し,此の中より「ト」の高率な学校を選び出し,専門医による検診と環境調査を行つた。大阪府教育委員会に報告された前記検査成績は悉皆調査としては昭和25年度が最終であり,以後は予算の関係上部分的な抽出報告であつたので,全般的な観察の必要上昭和25年の成績を取った。此の成績は一般学校医による検診である為幾分不確実になる嫌を免れないが,従来迄大阪府予防課で発表した「ト」淫浸地区の成績と対照した結果大体の傾向を観察し得る事を確めた。
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