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臨床実験
トラコーマの疫学的観察(第1報)—眼科医療施設に就て
The Epidemiologic Observation of Trachoma. Report I. On the ophthalmic Clinics
許 秋木
1
1大阪赤十字病院眼科
pp.698-701
発行日 1954年6月15日
Published Date 1954/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201904
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トラコーマの蔓延に就て調査する場合,其の対象に次の様なものが考えられる。第1には患者の密集するトラコーマ濃厚地区(同和事業対象地区)である。之は各府県により分布が判然として居り且つ他の地区との交流も少く主として同一濃厚地区内文の感染が行われるのみで,其の対策も自ら同一地区内のみの予防で終始し得る。此の様な地区での観察は比較的今迄に多く報告されて居り,一括して見ると家庭内感染の高度な事,乳幼児の罹患に母親との関係のある事,生活環境の不潔な事が挙げられる。香川と余は戦後の大阪府のこれ等の地区に就て調査し,大阪府予防年鑑(1950,1951年版)に発表したが我々の報告も今迄の報告とほぼ同様であつた。第2は学童である。之に就ての報告は多く戦前戦後を通じてのトラコーマの疫学的報告はほとんどが学童に関するものと称して差支えない程である。此の理由としては
1.学童は時間的に労力的に把握が容易である。
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