綜説
虹彩炎についてUber der Iritis—東京眼科講習会講演(29.6.13)
鹿野 信一
1
1東大
pp.821-831
発行日 1954年8月15日
Published Date 1954/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201941
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
虹彩炎は眼科領域の疾患の内でもかなりいやな予後の悪いものに属しております,併し,それに関する記載というものは比軟的少く,邦文の教科書をみても,白内障,緑内障等に比較して記述が簡単であります。この事は虹彩炎の処置というものが,眼科的にはAtropinというような特殊の療法により決定されて余り複雑さのない事,その他の処置は所謂眼科的な領域に属さないという様な為におこつた事でありましようか。
欧米の教科書の内でも比較的に要領よく整理され書いてあるように思えたのはAxenfeldのL.B中のKruckmannの記述であります,彼は,余り確実ではないのですが,敗戦の混乱の中に流浪の境遇の下に最近死亡したという噂をきいておりますが,短い文章で内容が豊富でありますその他Gilbert (Kurz.H.B)もよく整理されてあります。
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.