特集 第7回臨床眼科学會
普通講演
(38)ペニシリンの人眼移行について(第1報)
德田 久彌
1
,
近藤 有文
1
1東大分院
pp.257-260
発行日 1954年2月15日
Published Date 1954/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201774
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化學療法劑の眼組織内移行の問題は,臨床的にも重要な基礎的事項の一つであるが,從來報告されたものは,すべて家兎や犬についての成績であつて,人眼に關する報告は殆んどないと云つてもよい。この動物實驗の結果を,そのまゝ人間に應用するわけに行かぬのは勿論であつて,化學療法劑の眼組織内移行が,人眼と家兎眼でどう違うか兩者の間に一定の係數をもつて表わされるような關係があるかどうかを知ることは,日常の臨床に密接な關係のある問題と云うことが出來る。この意味で,われわれが,現在迄に得た成績は,例數も少く,不完全なものではあるが,豫報的な意味で報告し,臨床諸家の御參考に供したいと思う。
人眼の移行成績を述べる前に,これと關連してわれわれが現在迄に行つて來た家兎實驗の結果を簡單にまとめてみると,次のようになる。即ち,
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